スティーヴン・ドーフ主演「パワー・オブ・ワン」のレビュー

Amazonプライムビデオで、スティーヴン・ドーフ主演の「パワー・オブ・ワン」を視聴しました。


【監督】ジョン・G・アヴィルドセン
【脚本】ロバート・マーク・ケイメン
【原作】ブライス・コートネイ
【製作】アーノン・ミルチャン
【製作総指揮】スティーヴン・ルーサー、グレアム・バーク、グレッグ・クート
【音楽】ハンス・ジマー

「パワー・オブ・ワン」は、1992年に制作されたアメリカ合衆国です。
アパルトヘイト体制が定着されつつあった1930年代の南アフリカが舞台で、ブライス・コートネイの自伝的小説が原作となっています。

【キャスト】
PK:ガイ・ウィッチャー(7歳)、サイモン・フェントン(12歳)、スティーヴン・ドーフ
ヘール・ピート:モーガン・フリーマン
ドク:アーミン・ミューラー=スタール
セント・ジョン学長:ジョン・ギールグッド
マリア・マレー:フェイ・マスターソン
ヤッピー・ボータ:ロビー・ブロック(少年)、ダニエル・クレイグ
ダニエル・マレー:マリウス・ワイヤーズ
ボルマン軍曹:クライヴ・ラッセル
ギデオン:アロイス・モヨ


Amazonプライムビデオでこの映画を見つけたときは、それほど面白い映画とは思わず、アパルトヘイト政策について勉強するつもりで視聴を開始しました。

主人公であるイギリス系少年のPKは、7歳にしてアフリカーナ系の寄宿制学校に入ることになります。
アフリカーナは、オランダ系移民を主体に、宗教的自由を求めてヨーロッパからアフリカに入植した人々が合流して形成された白人民族で、イギリス系のPKはいじめの対象になります。
その内容は相当ひどいものでしたが、映画の序盤は、ほぼ視聴前に予想していた通りの展開でした。

しかし、陰鬱なシーンが長々と続くということはなく、割とスパッと展開が変わるので、思ったより後を引く感じがしません。
更に、ストーリー展開もテンポが良いので、勉強で見るという感覚は無くなり、たちまち映画の世界に引き寄せられました。


祖母に引き取られたPKは、祖父の友人で、ドイツから亡命してきた音楽教授のドクと出会います。
PKは、ドクから差別や偏見に左右されない正しい教養を身に付けます。
しかし、外国人の登録義務を果たしていないという理由でドクは刑務所に入れられてしまいます。
ドクが知識人だったため、PKは刑務所に自由に出入りすることが出来ましたが、様々な部族の囚人たちは看守から激しい人種差別を受けています。

再び怪しい雰囲気になってきますが、PKにボクシングを教える黒人のヘール・ピートという囚人が現れます。
このヘール・ピートを演じているのがモーガン・フリーマンだったので、とても驚きました。
同年に「許されざる者」、2年後の1994年に名作の「ショーシャンクの空に」、更にその翌年にブラッド・ピットと共演した「セブン」と1990年代のフリーマンの代表作が揃っていますが、この映画は全くのノーマークでした。

それにしても、さすがはモーガン・フリーマンです。
この時、既にスターとしての地位は確立していましたが、平和への想いを胸に壮絶な差別に耐え続けるヘール・ピート役を、安定感抜群に演じ切っています。


終戦後に高校生となったPKは、ドクのおかげでオックスフォード大学への進学を推薦されるほど成績優秀で、ピートのおかげでボクシング選手としても将来が有望な青年に成長します。
ある日、PKは、ボクシングの試合を見に来ていたマリアに一目惚れします。
ボクシングをテーマにした青春映画のような様相を呈してきたなと思っていたら、監督は「ロッキー」や「ベスト・キッド」を手がけたジョン・G・アヴィルドセンでした。
それだけに、高校生のPKをスティーヴン・ドーフが演じるようになってからのファイトシーンは迫力があり、マリアとのロマンスも爽やかに描かれていました。


「パワー・オブ・ワン」は、アパルトヘイトが実行されようとした時代に、多くの力が結束した時、一つの大きな力となることを描いた作品です。
人種差別の愚かさを、ありのままに取り上げたシリアスな内容ですが、素晴らしい俳優陣や監督による演出の妙により、とても見応えのある映画に仕上がっていました。

補足ですが、この映画は、007で6代目ジェームズ・ボンドを演じているダニエル・クレイグのデビュー作となっています。
アフリカーナ系小学校で、PKをいじめていたヤッピーという少年の青年後(公安警察官になっている)を演じています。
しかし当時まだ20代前半、ボンド役のダニエル・クレイグとは全く印象が異なる為、鑑賞中は全く気付きませんでした。



◆個人的評価(10点満点):10

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